- 川西
- 森木さんにとって印象深いプロジェクトを教えてください。
- 森木
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高知市比島から福井東町の東西約4.1kmの連続立体交差事業っていうJR高知駅と鉄道を高架化するプロジェクトが一番印象深いかな。その中で高架の下に新たな測道を作る道路の設計を担当したんだよ。入社10年目ぐらいだったかな。
複数の地域をまたぐ事業のため、それぞれの地区で多くのみなさんが生活をしている中で調査をしなければならないので、なかなか苦労したね。
- 川西
- もっとも難しかったのはどういった点ですか?
- 森木
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高知県、高知市、各地区の自治会、JR四国・・・と、関わる人がとにかく多かったから、全員に伝える・理解していただく・納得していただくことの難しさを痛感したね。
特に、各地区でお住まいの方やご商売をされている方とのやり取りは大切だったから、こまめにワークショップを開いて意見を吸い上げつつ、できること・できないことの説明はしっかりしていった。
できる限り各地区のご希望を取り入れて設計しているから、ずーっと続く一本の道路でも、各地区ごとに特色が出ているんだよね。例えば、愛宕地区であれば金曜市を安全に開催できるように、歩車道の境界部の縁石を低くして、利用客がつまずかないように工夫したんだ。
- 川西
- 私も最近、複数の外部機関が関わる業務を経験しまして、スケジュール管理の難しさに直面しました。
森木さんはどのようにされていましたか?
- 森木
- 時代ごとに業務内容は変化していて、昔に比べて今は緻密さを求められていると思う。だから、余計にスケジュール管理は難しいかもしれないね。
私の場合、スケジュール表を作って細かく記録やメモを残し、県や市の担当者にも共有して巻き込むようにしていった。やっぱり自分一人でなんとかしようとすると無理が生じるので、頼れるところや協力してくれる人を増やして、一つのチームでプロジェクトを成し遂げていくことが大事だなと思う。
- 川西
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へぇー!地域らしさのある道路なんですね。
私も最近、複数の外部機関が関わる業務を経験しまして、スケジュール管理の難しさに直面しました。森木さんはどのようにされていましたか?
- 森木
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そのときは、自分で地区毎のスケジュール表や記録表を作って、とにかく細かく記録やメモを書き込んで、県や市の担当者にと共有するようにしたかな。「人を巻き込んでいく」という感じで。これだけのプロジェクトになると、条件や問題点も多くなるので、自分一人でなんとかしようとしても、無理が出てくるんだよね。頼れるところや協力してくれる人をどんどん増やしていって、一つのチームをつくる!そして、プロジェクトを成し遂げていくことがコツかな。
でも、業務内容って時代ごとに変化しているからね。昔に比べて、今は緻密さを求められていると思うから、ますます、小さな事柄でも記録を残して共有することが大事になってくると思う。
- 川西
- そうですね・・・でも、自分を成長させてもらえる経験だと思っています!
- 森木
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この仕事は、街や地域そのものに関わる規模で、なかなか経験できるものじゃないから、苦労をしてもやり遂げる価値は大きいと思うよ!
規模が大きくなると関わる人も増えるし、それぞれの立場によって意見も違ってくるけど、自分たちには「建設コンサルタント」としても譲れない部分はあるだろう?まずは法令遵守。そして、「何のために、この事業を行うのか?」という本質的な部分。そこ見失わないように、ブレない姿勢を大切にしていってほしい!
- 川西
- 森木さんが日頃から教えてくれていることですね(笑)
- 森木
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そう(笑)こういう場で改めて話さなくても普段から話してるよね(笑)
大企業になると同じ会社内でも分業になってコミュニケーションが希薄になったり、業務一連の流れがわかりにくくなりがちだけど、うちの会社は規模的にも業務一連に携われる機会が多いし、社風的にも話をしやすいから、川西くん達の若い世代にも自分の経験をできる限り伝えていきたいと思ってるんだ。
世代は違っても同じ会社の仲間だから、みんなが同じ気持ちで仕事をしていきたいよね。
- 設計 川西
- 2人で一緒に関わったプロジェクトといえば梼原町の現場。落石防護ネットが老朽化して山肌から道路へ石が落ち、地元の方がお困りだったから、改めて山を調査し、新たな対策を考えるという業務だったね。
- 測量 谷本
- そうですね!測量チームは、落石の危険性のある石が山のどこに、どれくらいの大きさで、いくつあるのか調査して測量し、全て図面に落とし込んでいきました。
- 設計 川西
- その図面を基にして、現地でも確認しつつ設計チームはそれぞれの石が道路に向かって落ちてくるときに、どれくらいのエネルギーを持ち、それを防ぐためにはどういった対策が必要かを考えて資料にまとめていったんだけど・・・この現場はまさに山の中だったから、測量機器を持って歩くのも大変だったろう?
- 測量 谷本
- 山の中に石がいくつあるのかも分からない状況だったので、山の隅々まで歩いて探して・・・決してラクではなかったですね。でも、この仕事をやり遂げたら自分が成長できるんじゃないか?っていう気持ちが自分のなかにはありましたね。
- 設計 川西
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そうだったんだ。自分も山の中へ入ったけど、測量チームが目印を付けてくれていたじゃん?あれが分かりやすくて、本当に助かったよ。
なにより、図面の測量点数が細くてリアルなんだよね。現地でも自分が図面上のどこにいるのかが一瞬で分かるから、「うちの測量チームはすごいな!」って思った。
- 測量 谷本
- ありがとうございます!自分から見ると、設計チームはとにかく意思の疎通が図れていて、全員が同じ方向を向いて進んでいるところがすごいと思います。目指すところがハッキリとしているので、測量についてリクエストされたときも、必要性も理解できるし、それに応えたい気持ちが生まれてきます。
- 設計 川西
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そう言ってもらえると嬉しいよ。実際に図面を見て現地を確認すると、新たに測量をお願いしたいポイントが増えてくるんだよね。より良い設計をするためには必要な情報なんだけど、測量する側は仕事が増えるわけだから・・・でも、嫌な顔をせずに対応してもらえて本当にありがたいよ。
- 測量 谷本
- 設計チームからリクエストされると、自分でも「なぜここを測量する必要があるのか」って深く考えるようになりますし、「それなら、もっとこういうデータもあれば良いんじゃないか」と気づくこともあります。だから、自身の成長にもつながっていることなので、こちらこそありがたいです!
- 設計 川西
- 測量は歩いて、目で見て、リアルな現状をまとめる仕事。設計は現状をもとに頭の中で未来の在り方を導き出す仕事。お互いに視点も違えば、体の使い方も違うけど、「地域の課題を解決したい」という気持ちは同じだよね。だからこそ、部署は違えどコミュニケーションを深めながら協力し合って、より良い仕事を目指していきたいね。